「アタリ」のない印鑑には理由があります。
印鑑の側面に溝があるものとないものとがあることはご存知ですか?
「アタリ」とは?
印材の前印(まえじるし)のことを「アタリ(あたり)」と言います。「アタリ」とは印鑑の上の部分を削ってくぼみを付けたり、しるしとなる突起物が埋め込んである部分です。
この「アタリ」は何のために付けられるのでしょうか?
印鑑を押印する際に、上下の間違いなくサッと押すことができるようにとの目印のためです。「アタリ」があればいちいち印面(文字の彫られている面)を確認することなくスムーズに押すことができますね。とても便利で機能的です。
けれど、この「アタリ」を当店では敢えてお付けしておりません。
便利な「アタリ」を付けない理由とは?
スムーズに間違いなく押印するために便利な「アタリ」。「アタリ」が付いていれば上下の押し間違いも減りそうですね。なのにどうして「アタリ」を付けないのでしょうか。
それは、「印鑑を押す」ことが大切で重要な行為だからです。
特に実印や銀行印は大事な契約書類に捺印する印鑑です。重要な場面での押印の際に、今一度印鑑の文字の上下を確認する。一呼吸置いて確認するという余裕と時間をお持ちいただくことで、自分がこれから取り決める契約の善し悪しを再考し、慎重に捺印していただきたいと考えているからです。
今ここ、この場で、この捺印を、もう一度自分の心に問いただして行う。その心のふり返りのために、「アタリ」の無い印鑑をお作りしております。
印鑑を押すということは、「その書類や文章や契約の内容を十分に理解し承諾いたしました」というあなたの意志の証(あかし)です。印鑑は、「スムーズにポンポンと押せること」が求められる道具ではございません。
一見、不便で不親切に思われる「アタリ」なしの印鑑ですが、使うたびに今一度その是非を確認をするため、とお考えくださいませ。
印鑑の今昔(いまむかし)
印鑑の形状や流行り、というものもございまして、かつての時代では、短い・アタリ付き・サヤ付きの印鑑が流行したこともございます。
長さの今昔(いまむかし)
現在ではほぼ60ミリ(2寸)が主流となっています。短い印材が流行った時代もあり、ずいぶんコンパクトだったと感じます。印材の不足などで短くせざるを得なかった、という時代的な背景もあったようです。
また逆に、印材が豊富に出回るようになると長い印鑑がもてはやされ、有力者が好んで作ったりもしたそうです。
アタリの今昔(いまむかし)
昔はアタリが最初から付けられた印鑑が多くありました。現代でも、アタリ付きを望まれる方もいらっしゃいますが、大切な時に用いる印鑑だからこそと「アタリ」なしでの作成を選ばれる方もそれぞれにいらっしゃいます。当店では、先に述べた理由から、アタリなしでお作りしております。
サヤの今昔(いまむかし)
サヤとは、いわゆる印鑑の印面を保護する蓋(ふた)・キャップのことです。確かにフタをしておくことで大切な印面を守れそうな気もしますが...。印鑑の保管や持ち運びには基本的に印鑑ケースに入れておきますので、さらにサヤまでは必要ないですね。それに、サヤが固くしまってしまうことも多く、力を入れて開けようとして印面を傷つける心配もあります。
また、サヤがあると頭を押さえ伸び悩むと言われています。縁起良く上向きにどんどん伸びますようにとの想いも込めてサヤはお付けしておりません。
「2寸丈」「アタリなし」「サヤなし」で作ります
当店の印鑑は、2寸丈(60ミリ)の長さにて、「アタリ」はお付けせず、「サヤ」なしでお作り致します。
大切な印鑑を前向きに気持ち良くお使いいただけますよう、そして大切な場面での捺印を心静かに落ち着いて行えますよう。そのような考えからでございます。
印鑑とは、自分自身の意志の証(あかし)。そして、大切な場面で用いる物。どうぞ良き印鑑にて人生を前向きにお進みいただけますように。
印鑑作成のご相談 うけたまわっております
お電話(0778-51-0628)やFAX(0778-53-1133)、メール:toiawase@kaiunya.jp などでもうけたまわっておりますのでお気軽にお問合せください。
大切な方に 想いや願いを込めて「名」を贈りたい…。
門出や節目、記念日だからこそ伝えたい想いをお聞かせください。
人生や幸せな日々の「あと押し」となる、そんなかけがえのない贈り物となりますよう お手伝いいたします。