印鑑の直径は「寸・分」で測ります。
印鑑の直径のサイズは、小さいものから9ミリ、10.5ミリ、12ミリ、13.5ミリ、15ミリ、16.5ミリ、18ミリ・・・となっています。
12ミリや15ミリや18ミリは分かるけれど、どうして10.5ミリや13.5ミリなんてサイズになっているのかフシギに思いませんか?
これは、印鑑の大きさが「尺貫法(しゃっかんほう)」に基づいているからなんです。
尺貫法では、
- 一寸=10分=3.3センチ
- 一分=3ミリ です。
これに基づき、印章店(いんしょうてん:印鑑屋さんの正式な呼び名です。)では、それぞれの印鑑のサイズは次のように呼んでいます。
- 9ミリ=三分(さんぶ)
- 10.5ミリ=三分半(さんぶはん)
- 12ミリ=四分(よんぶ)
- 13.5ミリ=四分半(よんぶはn)
- 15ミリ=五分(ごぶ)
- 16.5ミリ=五分半(ごぶはん)
- 18ミリ=六分(ろくぶ)
一寸法師は、身長約3.3センチメートルの小さな男の子。
「一寸の虫にも五分の魂」ならば、3センチほどの小さな虫にもその半分の五分(15ミリ)の魂がある。
「一寸先は闇」ならば、3センチほどのすぐ目の前のことすら予想がつかず分からない。
「寸分違わず」ならば、ほんのわずかな隙もない様。
「寸分の狂いもない」ならば、僅かな違いさえもみられないほど正確な様。
なんて言葉もありますね。
尺貫法とは?
「尺貫法(しゃっかんほう)」は、もともと中国が起源とされ、東アジア圏で使用されていた単位です。尺貫法という名称そのものは日本独自のもので、中国では尺斤法と呼ばれています。
昭和に入るまで使われていた尺貫法でしたが、1966年(昭和41年)にm(メートル)やg(グラム)を用いる「計量法」が施行され、公では「尺貫法」の使用が禁止されました。けれど、建築関係や不動産の土地の計量などで非公式ながら現代でも用いられています。
土地の広さは「坪」、米を計るなら「合」、お酒の容量でしたら「升」や「合」、食パンなら「斤」を使うなど、尺貫法は日常生活で頻繁に使っていますね。
ちなみに、尺貫法の「尺」は長さを表す単位、「貫」は重さを表す単位です。 1尺は30.3cm=10寸、1貫は3.75kgとなっています。
印鑑は日本の文化
印鑑は、日本の長い歴史の中で大切に受け継がれてきた文化であり慣習です。だからこそ伝統的な単位の名残りが残され守られているのですね。
ちなみに、印鑑の長さももちろん「寸」が由来です。 「印鑑の長さは「寸」が由来です」も併せてご覧くださいませ。
また、印鑑の文字の彫刻する方向にも日本の文化的な側面が見受けられます。「「右から左」へ彫られた印鑑の文字は正しいのでしょうか?」 もご参考下さい。