朱肉を知れば押印が楽しくなります。
朱肉の良しあしは印鑑の押し心地を左右します
印鑑に欠かせない小物として、朱肉も大切な役割を果たします。
普段何気なく印鑑ケースに付属で付いている小さな朱肉で押印される方も多いかと思いますが、
余裕があるなら、一つ良い朱肉をお持ちになりませんか?
朱肉を付けるのにも押印するのにも、格段に気持ちよく美しく押すことができるようになりますよ。
印鑑ケース付属の朱肉はダメ??
もちろん、ケース付属の小さな朱肉も朱肉としての機能は十分に果たせるよう作られております。朱肉液やスポンジの機能性も格段に進歩しており、遜色なくお使いいただけますので印鑑ケースの小さな朱肉がダメ、というわけではございません。けれど、あくまで携帯用・臨時用とお考えいただいただけるとよいかと思われます。
- ちゃんとした朱肉と比べると印影がかすれる原因になりやすい。
(小さいため、乾燥しやすい・印面に朱肉をスムーズに付けづらい 等)
- 印面の直径ギリギリの大きさなので、印面の枠を当ててしまって「欠け」の原因になることも。
(慌てて枠が当たる危険率高し)
大切な場面で用いるのが印鑑、ですから、ひと手間を惜しまず朱肉台を使って押すことをおすすめします。
もちろん、金融機関や自治体窓口などでしたら朱肉台を借りることもできますので、ぜひ「朱肉台を貸してください」とお願いしてみてください。
朱肉にも種類があるってご存知でしたか?
普段よく目にする朱肉台は、「スポンジ朱肉」と呼ばれるものです。
一方、本格的な朱肉として、「練朱肉(ねりしゅにく)」「印泥(いんでい)」というものもございます。
その特徴は? 違いは? メリット・デメリットは?
朱肉には、
①速乾性の「スポンジ朱肉」と
②本格的な「練朱肉」があります。
①速乾性のスポンジ朱肉
「朱肉」と言えばこのスポンジ朱肉が一般的ですね。
ご家庭でも会社でもお役所や金融機関でも、様々な場面で使用されている黒い丸いケースの朱肉です。
つまり、使い勝手が良く便利で機能的、という優れものの朱肉という役どころといったところでしょうか。
≪スポンジ朱肉のメリット≫
- スポンジに朱肉(液状)が染みていて、すぐ簡単に捺印できる。
- 押した後すぐ乾く。
- 補充インクを足すだけでメンテナンスが手軽にできる。
- 携帯できる。
≪スポンジ朱肉のデメリット≫
- 色に深みが無い。
- 印影の鮮明さに劣る。
- 長期間の時間経過で色あせることがある。
→ 事務用や日常的な押印に広く便利に使われますが、重要な契約には少々物足りなさも否めません。
一方の練朱肉は。。。
②こだわりの練り朱肉
高級な容器に入れられた重厚感のある艶やかな練朱肉をご覧になったこともおありでしょう。
≪練り朱肉のメリット≫
- 色合いや押した風合いに深みがあり美しい。
- 印影がくっきりはっきりと鮮明に押せる。
- 長期間の時間経過後も、朱色が綺麗に残る。
- 明るめ~濃い目、 黄色系・青系・緑系 と色のバリエーションが楽しめる。
- 大きな印鑑での押印で、よりその良さが実感できる。
≪練り朱肉のデメリット≫
- 押した後 乾くまでに時間がかかる。
- 使用前後にメンテナンスが必要。
- 乾燥や温度変化に弱い。
- 携帯には不向き。
→ 趣味の落款印や、重要な場面での契約時に向く。
大きな取引をされる場面などでは、練朱肉一つでその契約への重みがさらに増すものです。
ビジネスにてお客様にご契約いただくことの多い方は、ぜひ良い朱肉と押しやすい押印マットをセットで揃えておきましょう。 契約書への押印の際に、いざ、と姿勢を正し練朱肉で押印することで、ピリリと契約の場面が引き締まりお互いの繋がりが一層深く繋がってまいります。
印鑑を押すとは、相手との深いつながりが生まれることを意味します。その場面を心地よい緊張感で演出してくれるのが練朱肉という小物なのです。
官庁や多くの企業でも、練朱肉を用いています。
重要な契約や取引を証明する証(あかし)として。かつその証(あかし)を色褪せることなく残すために。
普段使いには速乾性の便利で機能的なスポンジ朱肉を、重要な契約の場では練朱肉を、使い分けると良いですね。
練朱肉は、押印したときの感触や印影の美しさ、色の深みなど、その世界は大変奥が深いものです。
「印を押すこと」を楽しみその意義を実感するものとして、この上ない贅沢とも言えるかもしれません。
スポンジ朱肉と練朱肉、成分の違いは?
スポンジ朱肉の成分
顔料(=朱色の色素)、植物油・合成樹脂(=油分)を混ぜてインキ状(=液状)にしたものを、フエルトやスポンジに染み込ませたものです。
練り朱肉の成分
銀朱(=赤色の成分)に、ひまし油・木蝋・松脂(=油分)を溶かし、よもぎや和紙(=どろっとさせるための繊維質)を加えて練り固めたものです。
銀の割合が多いほど色褪せなどの経年劣化が少なく高品質となりますが、その分高価となります。
銀朱 とは?
猛毒のため現在は使用されていませんが、硫黄と水銀から人工的に作られた硫化水銀の色を銀朱と呼びます。やや黄色みを帯びた赤色のいわゆる「朱色」の色で、英語ではバーミリオン(ヴァーミリオン、vermilion, vermillion)とも呼ばれる色です。
いわゆる、一般的な「朱」色はこの色を指します。
さらに本格的な「印泥(いんでい)」とは
日本では「朱肉」とよばれるが、中国では古くより「印泥」と呼ばれている。
練朱肉は日本のもので、中国では印泥と呼ばれるものが古くから使われています。日本の練朱肉の元となったのがこの印泥なのです。
成分は若干違っており、練り朱肉よりももっとドロドロベタベタとしていて保管・管理に気を付ける必要があります。押した後、乾くのにも時間がかかりますがしかしその分、印影の鮮明さは抜群で、深く重みのある印影となります。
朱肉の素朴な疑問・豆知識
◎スポンジ朱肉の代わりに、スタンプ台(インク台)を使っても良い?
ゴム印に使用するスタンプ台の成分は、主に染料インクが使われています。染料インクは水に溶けやすく光(特に紫外線)の影響を受けて褪色(色あせ)がおきやすいため、正式な書類への押印には向いていません。(経年変化してしまうので)
また、成分が印鑑を痛めてしまうことからも不向きと言えるでしょう。
印鑑には朱肉を、ゴム印にはスタンプ台をと、使い分けしてください。
◎朱肉の「肉」とは?
改めて見ると、なぜ「朱+肉」と書くのでしょうか?何かかつておぞましい云われがあったのでしょうか。。。??
諸説ありますが、
- かつての血判(掌を切り自分の血で拇印を押していた)の流れから、「肉」があてられた。
- 弾力のある練り朱肉の赤い塊を血の滴る「肉」に例えた。
- 「肉」という漢字には、「ふっくらした厚みのある柔らかい・・・」等の意味を含むので、「朱色のふっくらとした厚みのあるもの」の意味として。
かつては本物の「肉」が使われていた!!というわけではなく、あくまで練り朱肉の塊の色や形状を例えたもの、として「肉」の字があてられただけのようです。
ちなみに、朱肉を入れてあるケースのことは正式には肉池(にくち)または印池(いんち)と言います。
こだわるなら練り朱肉
- 色
- 風合い
- 容器
- 保管・メンテナンス
- 押印の際のひと手間・満足感
凝り始めると奥が深い練朱肉の世界。
練朱肉の魅力にハマってみるのも楽しいかもしれません。
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